おなまえ Eメール タイトル コメント > 私は銘機TR-909を所有してた事があります。まあ局地的には自慢の一つになりそうですが。 > どうやって手に入れたのか、はっきり聞いた記憶がないんですが、姉が部屋に持ってました。 > 初見、このPC-8001mk2みたいなキーが一列だけ並んでる、これは何ですか、と思いました。 > > その頃はとにかく、ギターが鳴ってるロック或いはブルース等こそ至高と思ってました。 > ましてやその手の機材とか、その手の知識を集める事もしてませんでした。 > > 一応ざくっとした操作法を聞いた後、何故か姉が越天楽らしき雅楽のCDを流して、 > じゃ、これに合わせてドラムパターンを打ち込んでみろ、と言われたので > ドデデンパンテトチチッみたいな、意味の分からないパターンを組んだのが最初です。 > でもまあ、これは細野晴臣かインダストリアル的な音響芸術色を狙ってるんだなと > 直感的に理解したので、その一連の行為だけでもう、なるほどと全体像を理解した気になりました。 > > その後、姉が長らくいじる事もない状態で置いているのを察知したので、 > じゃ研究してみるから持って帰るわ、と適当な理由で譲り受けた気がします。 > > 1年間ほどいじっておりました。なぜこれがそんなに凄いのか、エフェクトつないだり様々試しました。 > シンバルの音がたまに、強烈なトレモロをかけたように、びよよ〜んと鳴る事がありました。 > 電圧のせいでしょうか、この音が出た時はいつも、なんともニンマリ微笑みたい心地になりました。 > このような偶発的なエラーな音をフェチ的に愛するというのが、テクノには通底しますよね。 > > しかし、TR-909と対峙しているうち、何か違うな、と思い始めました。 > 私のような雑食性の高い音楽マニアにおいては、TR-909をテクノの正道のように使うよりも、 > サンプラーであらゆる音を取り込んだほうが、性に合ってるだろうと、思ってしまったんですね。 > > これは些か後悔しています。その後、909は蚊帳の外に置き、サンプラーを研究する作業に執心没入しました。 > 真夏に部屋に篭って、刺身タンポポ的な作業が続いても厭わず、何を求めているかも不明瞭なまま、 > 名刺よりも小サイズなLCDディスプレイと音だけを手がかりに、処理の鈍重な波形編集と格闘したり、 > 膨大なサンプルライブラリーを作成した後、当時の保存メディアであるMOをクラッシュさせてしまい、 > 1ヶ月分の作業が消滅したり。夏が来る度、あの不毛なひと夏を思い出します。サンプラーの夏。 > いやまあ、実際はひと夏じゃなくて、3年間ぐらいは没入し倒しましたよ。あくまで季節的イメージです。 > > サンプラー的手法は今どきはPC内でも簡単高速に行えるので、その価値は暴落しました。まさに不毛です。 > 権利関係やら音質面の問題もあって、サンプリング主体の制作も、かなり廃れたともいえますし。 > その他諸々、過去サンプラーに思い入れた経験のある人なら誰でも頷ける、客観的斜陽視点は多くありますね。 > まあSP-1200とか、あの手のローファイ付加価値路線もありましたが、やはり廃れた気はしますね。 > > それにしても「Rolandサウンド」ってありますよね。909、808、303、JUNOにも通底する何らかの音質の共通点ね。 > 比較すればLinnDrumのような中域の厚み、高域の艶やかさなどで生っぽく豪華に際立たせる実体感とは真逆の、 > イメージ的に云えば、プラスティック樹脂の響きが常に乗っているとでもいうんですかね。 > たぶん出力段の回路設計、フィルタリングに、共通する特色でもあるんでしょうけど。 > この極無機質的な音色が、何故これほどまで長く愛好され普遍化し、すでに当たり前に存在すべき信号音のように > 人を踊らせるのか、かなり謎で、しみじみしますね。 > > 今日の話に、無理矢理結論めいたものを導くとすれば、人は他者でなく、たかが一つの機器と対峙する事も可能であろう、 > それは何やら揺ぎ無いフェチ性に特化された時間であり非常に落ち着くものですが、気づいたら人生を左右されている、 > 無機質ゆえにその実体を掴めるにも至らないであろうという、麻薬的側面もあり得ますよね、ってな感じでしょうか。 > 今どきに照らせば、不毛と云えば、SNSやらゲーム仮想現実、或いはもっとオーソドックスなのはドラッグ関連でしょうが、 > ある意味それらより、もっと不毛な没入(の夏)が私には既にありました。ありましたが何か?といった一文でしょうか。 > > > さて今日の一曲ですが。Kenny Larkin - Azimuth デトロイトとか他にも数多ありますが、例えばこの曲ですね。 > いつしか、実機のTR-909を使って制作したものを「TR-909の生音」と呼び珍重される時代もありました。 > これは非常にアイロニカルですね。「生音」とは元々かけ離れたモノの、実機としての生音希求という。 > 実機を使うことによるアナログ的音の揺れ、電圧変化と波形加工とはやはり根本的に違うんだな、と実感できる、 > この生音ですね。関係ないですが、この曲の上モノって、ニュース番組のBGMみたいですよね。 > > > #ご意見連絡等をいただくメールを設置しました。スパムが来たらすぐ没かもしれませんが。 > #バンド名 > 例のごとく時事ネタ単語にerを付けたら脱法ハーバーになって、渡り鳥ブルースか第三倉庫な感じでかっこよかったので > 私はそれでいいです(絶望)。ただし私は吸っても買ってもいないので、その手の話題はご遠慮ください。 > > あーでも、たしか現役の邦楽アーチストで一番しっくりくる名前は小田和正だ、という識見がありまして、 > 簡素な漢字だけで、無理な威厳や衒いも無いながらも安定感且つ軽快で洗練感のある、筆の流れ的にもしっくりくる、 > 多角的に観て隙が無いという、確かに「和夫」「和成」だったら急にバランス崩れるよね、とか、そういうセンスは > 理解できますな。まあ、あんま人の名前でどうこう評価するのは世間的にはアレかもしれないですけどね。とほほ。 参照先 削除キー (英数字で8文字以内) クッキー保存
- SUN BOARD -